電波の使用ルールと総務省による監視(DEURAS)

私たちは日常生活において、電波通信の恩恵を特に意識することなく、テレビ、ラジオ、携帯電話、スマートフォン、ワイヤレスLAN、カーナビなど様々な機器を利用しています。また、船舶や航空機を安全運航するためにも、電波通信はなくてはならない存在です。

このように、情報化社会の日本では、ビジネス、プライベートを問わず、あらゆるシーンに電波が登場しますが、電波の拡散性というその特性上、一定のルールの元で使用しなければ、混信を起こして、他人に迷惑をかけるだけでなく、経済活動が大きく損なわれたり、航空機事故が発生するなど、社会に大きな損失を与えかねません。

そのため、国際電気通信連合条約や電波法では、電波を使用する際のルールを細かく定めています。しかし、ルールを定めているだけでは十分ではなく、日本でも不法に改造した無線機を使用して他人に妨害を加えたり、無許可で電波を使用した通信を行ったり、盗聴を行うも少なくありません。

総務省のサイトからお借りしました

そこで総務省が整備を進めているのが、不法な無線局や違法な無線局を速やかに探査するための電波監視施設(DEURAS:DEtect Unlicensed RAdio Stationsの略)です。これには、遠隔方位の測定を行うDEURAS-Dをはじめ、遠隔受信設備のDEURAS-R、不法無線局の探査車であるDEURAS-M、短波監視施設のDEURAS-Hがあります。上の図は、これらの運用概念図となります。

ビルの屋上や鉄塔などに設置されているセンサ局で受信された不法無線局の電波の方位情報などは、センタ局(総合通信局など)に伝送され、ディスプレイに地図情報と共に表示され、記録されます。不法無線局探査車で測定された方位情報などは、車両に搭載されたディスプレイに表示され記録されます。

このDEURASの構築には、平成5年4月に導入された電波利用料制度が大きな役割を果たしており、放送局、アマチュア無線局、携帯電話などの「電波利用料」を財源として、様々な電波監視システムが運用されているのです。総務省の資料によると、平成22年度は、電波監視の施設設備、維持運用、広告費などに55.5億円が使用されました。ちなみに同年度に確認された不法無線局等の数は8,538となっています。

この電波利用料は、無線局の免許を受けている事業者や個人が、無線局の種別ごとに毎年一定の金額を総務省に納めることになっています。当初は中波放送やテレビ放送局は23,800円、陸上移動局は600円、アマチュア無線局は500円などで、携帯電話の場合は電話会社の料金の中に予め組み込まれていて。540円でした。

その後、数回の変更を経て、事業者の電波利用量は無線局の区分や出力によって細分化され、年間で数億円という例もあります。携帯電話は加入者が増加するに連れて引き下げられていき、現在は250円となっています。